小学生時代に放送されていた手話がテーマのドラマに夢中になったのが、最初のきっかけです。手話サークルに誘われて入会してはじめて耳の聞こえない方々に出会い、自分もこの世界の役に立てれば……と感じたのが福祉業界を目指す第一歩でした。

決め手になったのは、大学時代の実習体験です。実習先に障がい者施設があり、障がいのある利用者の方と触れあう機会がありました。その経験から「障がいのある方たちと関わる仕事に就きたい」と言う思いが強くなり、福祉の道を選びました。

結婚を機に当時働いていた施設を退職し、引っ越しをした先で、偶然あしたの会の職員さんと知り合う機会がありました。その方の紹介で、あしたの会とのご縁をいただき入職しました。

現在は生活支援員として、利用者さんの支援をすることを担当していますが、その仕事内容は大きく分けてふたつあります。

ひとつは身の回りのサポートです。とはいっても食事やお風呂、排泄まですべてを支援するわけではなく、利用者さんが自立した生活を送れるよう支援方法を考え、接するようにしています。利用者さんが自由に生活を送れるよう、一人ひとりの特性を見極め支援にあたっています。

もうひとつは就労継続支援の担当班の作業を、一緒に行うことです。作業内容には、クッキーやパンの製造・販売と軽作業（ミニばさみのセット組み）があります。私はおもにクッキーを商品として生産する利用者さんと一緒に作業をしたり、出来上がったものの袋詰めを行っています。

職員は持ち場をローテーションしながら、より良い商品づくりを目指し、利用者さんとともに味や形、サイズなど様々なポイントを検証して商品の改良を行っています。こうした経験を日々重ねることで、利用者さんが社会の一員としての役割を担い、自身もそれを実感することができるのです。

どうしたらより良い商品が作れるか、そして利用者さんがやりがいを持って働きやすい場所になるかを考えながら、職場環境の向上を心がけています。

利用者さんの成長を間近で感じられるのは、私にとっても嬉しいことです。たとえばクッキーの成形がどんどんレベルアップしたり、ラッピングのデザインを工夫したり。専門店にひけをとらない品質が製品化されると同時に、利用者さんのスキルや達成能力がアップしていく姿は感動の連続で、私自身の成長にもつながっています。

ご家族に利用者さんのがんばる姿と成長の様子をお伝えすると、感謝の言葉をいただくことがあります。ご家族の喜びにもつながっていることを感じて、とてもモチベーションがあがります。

あしたの会作業所は土日祝日が休みで有給も取りやすいですね。イベント開催時には土日出勤の場合もありますが、私は子どもが小さいこともあり、他のメンバーが快く交代してくれることも多いです。女性が多い職場ということもあり、お互いの事情を理解できて助け合いができるのも心強いです。入職３年目で産休を取得し、復帰後も体調が悪い時はさりげなく仕事内容を配慮してもらえることにいつも感謝しています。
産休を取る前にお腹が大きくなり始めたころは、職員だけでなく、利用者さんにも色々な面で手助けをしてもらいました。

働く仲間の様子に互いに気を配り、困っている人がいればすぐにサポートしあう温かい職場です。

今は子どもとの時間を中心にした、朝9時半から夕方5時半までの時短勤務です。勤務時間は、それぞれの家庭環境や予定にあわせて柔軟に対応・調整してもらえます。保育園の行事にもしっかり参加できるので、家族にとっても良い環境だと言えます。

また、私も他の職員も自分の仕事が完了すれば時間通りに退勤していて、自分や家族のために時間をたっぷり使えます。プライベートが充実することで、より仕事への意欲が向上しますので、好循環が生まれています。